月10万PV超のオウンドメディアを「コンセプトゼロ」から立ち上げ ― 製造業SaaS企業のWebマーケティング支援
「オウンドメディアを立ち上げたいが、何から手をつければよいか分からない」、「自社のホームページはあるが、アクセスが伸びない」。製造業のSaaS企業や設備メーカーが見込み顧客との接点を作るうえで、こうしたWebメディアの立ち上げ・運用の壁にぶつかる場面は珍しくありません。
今回の事例は、製造業エンジニア出身のライターがオウンドメディアのコンセプト設計から記事制作、外部ライターへのキーワード提供までを一貫して担い、月間PV10万超を達成したうえで、Google広告を停止しても問い合わせ・成約が維持される状態を実現した取り組みです。「広告に支払い続けないと止まるアクセス」から「コンテンツ自体が見込み顧客を呼び込む状態」へと、Web集客の構造そのものが変化しました。
1. 支援先企業の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 製造業関連SaaS |
| 主な顧客 | 製造業の現場・管理部門 |
| 販売形態 | BtoB |
| 今回の支援領域 | オウンドメディアのコンセプト設計・キーワード提案・記事制作・外部ライター運用フォロー |
当該企業は、製造業向けのSaaSプロダクトを自社で開発・販売しています。プロダクト自体のランディングページ(LP)は整備済みでしたが、見込み顧客にどのように認知してもらえるかという集客課題を抱えていました。広告中心の集客から、コンテンツによる継続的な集客へと舵を切るために、オウンドメディアの立ち上げが選択肢として浮上していました。
2. 支援前の状況と課題
当該企業が抱えていた課題は、大きく3つの側面に整理できます。コンセプト未確定、検索キーワード設計の未着手、そして集客が広告に依存しやすい構造です。
オウンドメディアのコンセプトが固まっていない
プロダクトのLPは存在していたものの、オウンドメディアとして「誰に、何を、どう届けるか」が決まっていない状態でした。社内ではメディアを立ち上げたい意向はあったものの、テーマ設定・想定読者像・記事の方針が定まらないまま時間が過ぎ、最初の一歩を踏み出せずにいました。
検索キーワードの設計に着手できていない
オウンドメディアで継続的に流入を獲得するには、見込み顧客が実際に検索するキーワードに沿った記事構成が欠かせません。しかし、当該企業内にはWebマーケティングの観点でキーワードを設計できる知見がなく、何を狙うべきキーワードかも整理されていない状況でした。社内でアイデアベースの記事を書いても、検索流入につながらないリスクが高い状態だったといえます。
集客が広告依存になりやすい構造
サイトのアクセス獲得をリスティング広告で補っていましたが、広告は出稿を止めた瞬間に流入が途絶えます。広告予算をかけ続けないと問い合わせが入らない構造は、長期的なマーケティング投資としては不安定です。そのため、コンテンツによる継続的な集客資産を持つ必要性が、社内でも認識されつつありました。
3. 実施したWebマーケティング支援
製造業出身のライターが今回実施した支援内容は、以下の3点です。コンセプト設計から、記事制作、外部ライターと協業での継続運用までを一貫して担当しました。
オウンドメディアのコンセプト設計とキーワード提案
立ち上げ段階では、プロダクトの想定顧客像と検索ニーズを突き合わせ、オウンドメディアの軸となるコンセプトを設計しました。あわせて、製造業の見込み顧客が実際に検索するキーワード群を洗い出しました。
検索意図を満たす記事制作
提案したキーワードのうち、優先度の高いものから順に記事制作を進めました。単に検索ボリュームを狙うだけではなく、読者の悩みを自社プロダクトで解決するためのコンテンツと、自社プロダクトへのお問い合わせの動線を意識し、記事構成と本文を組み立てています。現役の製造業エンジニアならではの実務知識や経験も盛り込み、表面的な解説記事との差別化を図りました。
外部ライターへのキーワード提供と運用フォロー
オウンドメディアは継続して記事を投入することがアクセスアップのポイントです。社内および外部ライターが取り組みやすい形でキーワードと記事方針を整理しました。執筆を担うメンバーが迷わずに記事を書き出せる状態を整えたことで、無理なく継続できるよう運用面でのフォローも行いました。
4. Webマーケティング支援を進めるうえで工夫したこと
製造業出身ライターが意識したのは、以下の通りです。
「アクセスを集める記事」と「成約につなげる記事」のバランス設計
オウンドメディアの立上げ初期から、「広くアクセスを集める記事」と「成約につなげる記事」を並行して計画に組み込み、公開する記事が一方に偏らないよう投稿配分を管理しました。
両者を並行させたのは、どちらか一方だけでは目的を果たせないためです。広くアクセスを集める記事だけでは流入は増加しても問い合わせには結びつかず、成約につなげる記事だけでは潜在顧客との接点が限られ、メディアとしての認知が広がりません。
そこで、広く流入を狙う周辺キーワードと、製品・サービスの導入を検討する段階のキーワードの双方を当初から計画に組み込み、投稿比率を継続的にモニタリングしながら公開を続けました。その結果、問い合わせ獲得を実現する基盤を構築できました。
製造業エンジニアの視点で検索意図を読み解く
記事構成を作る際は、検索キーワードを表面的に受け取るのではなく、読者が現場で抱えている課題まで推定しました。製造業での実務経験をもとに、その課題に答える構成で記事を組み立てました。
製造業の見込み顧客が使う検索語の背後には、現場特有の文脈や前提知識があります。キーワードの文字面だけを追った記事では、読者が本当に確かめたい点に応えられず、課題解決にはつながりません。
現場の文脈を踏まえた具体性のある内容に踏み込むことで、読者が「自分の課題に答えてくれる記事」と感じやすい状態を狙っています。製造業に強いライターの関与が、コンテンツの説得力につながる典型的な場面でした。
5. 成果と変化
今回の支援による成果は、以下の通りです。
数値面の成果
オウンドメディアの月間PVは10万を超える水準に達しました。立ち上げ初期から、検索キーワードを起点としたコンテンツ設計を進めてきた結果として、現在のアクセスの約90%はGoogleの自然検索経由となっています。
広告に頼らずに継続的な流入が生まれ、コンテンツが見込み顧客からの認知に繋がるマーケティングツールに進化しました。
現場の変化
試験的にGoogle広告を停止してみたところ、問い合わせや成約の件数はほぼ変わらず維持されたことが確認できました。これを受けて、現在ではリスティング広告を停止し、その分の予算をコンテンツ拡充などに振り向けています。
広告費に依存しない集客の柱が育ったことで、当該企業はマーケティング投資をコンテンツ資産の蓄積に集中させる選択肢を取れるようになりました。問い合わせ獲得と並行して、見込み顧客からの信頼を獲得する場としてオウンドメディアが機能している状況です。
6. このような企業におすすめ
以以下のような課題を抱える企業には、本支援の活用が有効です。
- ホームページはあるが、Web経由の問い合わせが来ない
- オウンドメディアを立ち上げたいが、コンセプトが定まらない
- Webの専任担当がおらず、現場が片手間で記事を書いている
- 製造業出身のライターに記事制作を任せたい
- 広告中心の集客から、コンテンツ集客へ移行したい
製造業のWebマーケティングで成果につながる記事を生むには、検索意図の奥にある潜在ニーズまで読み解けるライターが欠かせません。それを可能にするのが、現場での実務経験です。
製造業出身のライターを起点にコンテンツを設計すれば、専任担当がいなくても自社メディアを育てられます。製造業オウンドメディアの立ち上げや広告依存からの脱却をお考えの企業は、ぜひ一度ご相談ください。